6月

13

突然の失職

こんなに身近でこんな事がおこるとは思っていませんでした。

社長が夜逃げしてからしばらくたって、債権者の人たちが事務所へやってくるようになりました。

残された私と先輩はここが住宅地であるのをいいことに住民のふりをしてその様子を見ていました。

そしてある日、ついに債権者の一人が勝手口を開けることに成功しました。

でも、これ、犯罪ですよね。

けれど、その様子を二人で伺いながらその人たちが帰ったあとに私たちもこっそり侵入して私物を引き上げました。

中に入るといろいろなものがなくなっていました。

本当に社長はいなくなってしまったんだ、と悲しい気持ちになってしまいました。負債がどうとか、弁護士が何だとか、私たちにも関係があるんでしょうが、取り合うつもりはありません。

先輩と二人で引っ越そうと相談をして不動産屋へいきました。

私はワンルームでいいのでどこへでもいけるし、いざとなったら田舎に帰ってもいいのでとにかく安いところを探しました。

先輩は奥さんもこどもさんもいるのでそれなりのところでないと、と言って3LDKで探していたのですが、何にせよ無職の部屋探し、お金をかけることができません。

先輩に「実家へ帰ったらどうですか」といったけれど、「今帰ると親に迷惑をかけるだけだから」と言って考えていないようでした。

私も実家へ帰ることは考えていませんでしたが、いかんせん先立つものがないので、仕方なく一旦実家に戻ることにしました。

思い出の多いこの土地を離れることには抵抗がありましたが、今、ここに居続けるのはもっと苦しかったので・・・。


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